2026/02/08 02:43

配車アプリDidiで金榜美食街から晩御飯の桑の葉料理の店にむかう。15分程掛かって12元(250円くらい)。




百丈园

順徳は嘗て養蚕業で経済を支えていた歴史があり、
絹糸の元になる蚕の餌になる桑の木の栽培も盛んだった。養蚕業は化学繊維の浸透と共に廃れてしまったが、嘗ての伝統を護る為に桑の葉を使った料理を出しているお店なんだそう。




また外観の写真を撮るのを忘れてしまったので、サイトから引用。




タイミングを見計らってやってきては、用が済むと何処か遠くへ行ってしまう。


すごい猫がいた。新しい客が来る。猫が店の外からやってきて「居ますぜ」アピールをすると、どこかへ去っていく。その客に料理が出されて暫くした後にどこからかやってきて、お溢れをいただく。その間に新しい客が来る。用を済ませると、そっちの方へ寄っていき「居ますぜ」アピールをしてまた店を出ていく。そしてまた客が食べ疲れたいいタイミングでやって来てはお溢れをいただき、ノシノシとどこか店の外へ帰っていく…。
全ての所作というのかタイミングが完璧で、店の人に追い返されそうな時にはもう既にどこかへ去っている。
やっている事は乞食なのだが、つい見惚れてしまった。



桑葉巻。思わずビールをクイッといきたくなる。
桑葉巻


八角やシナモンなどのスパイス等と共に煮込まれたとてもジューシーな豚バラ肉とタロイモを桑の葉で巻いて焼いたもの。これがとにかく美味くて思わず頬が落ちる。
肉の味は然ることながら、いっしょに煮込まれた香芋という中国のタロイモ系のモソモソとした食感の芋が豚肉から出る脂と旨味をしっかりキャッチして、脂っこ過ぎずバランスを整えてくれている。桑の葉の仄かな苦味と風味が後味に残る。24元(530円くらい)


桑葉養生湯。壺の中にある素材の全ての養分をスープの中に閉じ込めている。


桑葉養生湯
来た人は必ず頼んでほしい。豚のスペアリブ、人参、大豆、赤小豆、生姜、乾燥させた桑の葉と水を壺の中に入れて数時間じっくり煮込んだだけの、煲湯と呼ばれるタイプの広東省や福建省で愛飲される薬膳スープ。
何故水でただ煮込んだだけのスープがこんなにも美味いのか。全ての食材の養分がスープの中に閉じ込められているので、具材は食べない。食べても美味しくない。塩も使っていないのに凝縮された旨味、コクがあって飲み応えが非常にある。
2リットルくらいあったスープをぺろりと飲み干してしまう。58元(1280円くらい)








蒸桑葉魚珠。シンプルな味付けだが、


蒸桑葉魚珠
川魚とのすり身に桑の葉を混ぜたつみれを蒸した料理。枸杞の実と葱がが上に添えられていて彩が良い。
川魚の臭みは全く無い。
素材の味が際立っていて、桑の葉の風味を強く感じられる。48元(1060円くらい)






椒鹽桑汁豆腐

桑の葉っぱの汁を加えて作った豆腐を揚げたものに煎った花椒(山椒)と塩を細かく砕いて混ぜ合わせた椒鹽という調味料で味付けした料理。衣の中は綺麗な緑色の豆腐。揚げ出しの様なじゅわっとした衣の食感の中には豆腐のとろけるような食感。
もう少し塩気が効いていて欲しかったけど、冷めると味が染みて塩気が濃くなる気がしたので、食べ切れなかった分はテイクアウェイして宿でビールの肴にした。
38元(840円くらい)。



計4品+お茶代+包代で173元(3800円くらい)だった。
満腹で歩くのが辛い。Didiで宿の华德里舍邮政主题民宿まで向かう8.5元(190円くらい)。


散歩がてらスーパーでビールを買って、宿で椒鹽桑汁豆腐を肴にした。


食べられなかったらプラ箱に入れてくれて気軽に持ち帰られるのが中国飯屋の良い所




百丈园
广东省佛山市顺德区大良新大吉村中心街二巷2号(近区政府)







谷子园私房菜

翌朝、少し早く起きて順徳最後の飯を食べに行く。
Didiで15分程14元(300円くらい)目的地は谷子园私房菜という茶樓だ。
降ろされた大通りから歩いて2分、ででーんとな門が現れる。



谷子园私房菜5周年の横断幕。



写真はネットから拝借。老舗茶樓の店内は高級感がある内装。




門を潜ると庭園が。まるで小学校の校舎の様な3階建ての大きな建物の2階へ登ると、庭がよく見える窓側の席に案内された。


注文はWechatからQRコードで読み込んで支払いも同時に行うタイプだったが、注文には大陸の電話番号が必要だったので出来なかった。
服務員の人に尋ねると、じゃあ紙に書いてください。と、頼み慣れた手書きの注文を受け付けてくれた。
最近はWeChatや電話が使えないと注文すら出来ない店が増えているので少し焦った。



広東風豚肉の煮物と梅菜の粥。

五臓六腑に染み渡る。

梅菜叉燒粥
これぞTHE広東料理!という味のする粥。梅菜はからし菜の塩漬けを乾燥させた広東省伝統の発酵保存食で高菜に近いが独特の風味がある。その梅菜を豚のスペアリブの叉焼を一口サイズに切ったものを白粥と共に煮込んでいる。
一口食べる度に八角とシナモン風味の叉焼と梅菜のから出る旨味のタレの味が込み上げてくる。やや濃口のクラシックな味付けだが、後味はとてもスッキリしていて非常に美味しかった。

谷子園蝦餃皇(奥)と灌湯小龍包(手前)


続いては点心。2種類注文した。


灌湯小龍包

所謂小龍湯包。南の中国で小籠包と言えば分厚い生地に肉が詰まった肉まんタイプのものが一般的で、日本では馴染み深い台灣等でよくある生地の中にスープが詰まっている小籠包は小籠湯包とか灌湯小龍包とか書かれているので注文の時は注意が必要。

先ずこの酢が無茶苦茶美味かった。酢の刺激的な酸味が殆どなく、寧ろ甘味の方が強く感じる。いったい何年寝かせたらこんな味になるのか…。
豚のミンチのエキスを閉じ込めたスープが生地の中に溜まっているので、レンゲに小籠包を乗せて箸で穴を開けてそこからエキスをチューチュー吸うのだが、小籠包が大き過ぎてレンゲからはみ出てしまっていて、箸で空けた穴からエキスをこぼしてしまった。急いでレンゲごと頬張るが、蒸したての小籠包の具の温度は非常に高く、軽く口の中をやけどしてしまった。




谷子園蝦餃皇。こちらの店は海老のすり身が包まれていた。


谷子園蝦餃皇
とりあえず初めて訪れる店で海老餃子はマストで注文。
こちらも浮き粉で作られたプルプルの生地に包まれているのだが、中はすり身になった海老が詰まっていた。
もちろん海老は新鮮で美味い。プリッと弾力があり歯切れがとても良い。



老火靚燉湯。めちゃ上品な醤油ラーメンのスープの様な味?


燉湯は具材も美味しいので余すこと無く食べられる。
老火靚燉湯

燉湯は小さな器の中に具材と調味料を加えて、蒸気で蒸して作る薬膳スープのこと。
具材は全て把握出来なかったが、骨付き鳥や生姜、棗などが入っていた。鳥の濃厚な出汁がベースで醤油と紹興酒の味が効いていて濃いめ味付けなのだが何処かスッキリしていて、上等な日本の醤油ラーメンのスープの塩気を少なくした様な感じの味付けだった。「飲み飽きずに永遠に飲んでいられる醤油ラーメンのスープ」と書くのが分かりやすい説明かも。美味かった。



料理名を忘れてしまった。メニューを撮らなかった事をとても後悔するブログ初心者。


鮑汁金菇菌腐皮巻(仮)

これがこの店で食べた中で一番美味しかったのだが、料理名を忘れてしまったので自分でなんとなく付けてみた。
ブラウンえのきや鮑茸、細長く刻まれたニンジンなどの野菜を湯葉で巻いて揚げたものを、恐らくアワビの出汁でとった醤油ベースのスープでコトコト煮込んだもの。とても手が込んでいる。皿の下にはストーブになっていて料理は常にアツアツだ。
湯葉がとてもジューシーでキノコの濃厚な風味。シャクシャクした食感でスープの旨味が噛めば噛むほど溢れ出てくる。口の中が幸せで溢れてしまった。



どれも美味しく、朝からとても満足な食事だった。順徳十九楼と比べると全体的にクラシックな味付けの飲茶だった。
この店に次回訪れる時は是非晩御飯に訪れたいと思う。
計5点+お茶代で143元(3150円くらい)。



谷子园私房菜
广东省佛山市顺德区大良顺峰社区沙头瑶岗路10号(住改商)



Didiで宿に戻って15元(330円くらい)、荷造りを済ませてチェックアウト。
広州東駅に向かって、高鉄(新幹線)で目的地の潮州を目指す。
2泊3日の順徳食旅行はデザート以外は何処も大満足で、毎日学びあり驚きありの3日間だった。
「美味いもの安く食べたきゃ取り敢えず順徳に行っとけ。」は、本当だった。


今回この様なブログを初めて書いてみて、誤字、駄文、画像&資料不足のオンパレードで力不足と大変さを痛感した。
とても広く多面的で奥深い中国。香港や深圳や広州等の主要都市部に長く滞在するのも良いが、もし時間に余裕があれば地方や農村部にも足を伸ばしてほしい。洗練された(てしまった)都市部では味わえない魅力的で刺激的な出会いが沢山待っているだろう。このブログでも引き続き旅行日記も更新していくつもりだ。
いつか現地に訪れた時に少しでも参考になったら嬉しい。